Nのために

面白かったー! 原作未読なので前知識としては湊かなえ原作であるということと榮倉さんが主演で二番手が窪田くんであることくらいしか頭に入れずに視聴したのですが、とってもいい出足でした。初回を見た印象しては湊版白夜行なのかなあと感じています。親によって人生を歪められた2人の子供が次第に次第に共依存カプセルにこもっていって犯罪に関わっていってしまうという哀しい物語、その序章というふうに見えました。ただ、希美は雪穂とは違うタイプなのではないのかなあとも感じます。ここが女性作家と男性作家の違いなのかもしれません。
希美の父親のゲスさがすごすぎて1周回って清々しいくらいに思えてくるぐらいでした。すごいなーあのゲスさは。中々見れるものじゃあないってくらいのゲスイ父親ですな。しかし、問題は父親のゲスさだけではないのが見てて辛いところです。父親がゲスに目覚めたせいで母親が精神のバランスを崩して現実逃避をしてしまい、家庭が子供にとって家庭でなくなってしまっているのが非常にしんどいです。思春期という難しい年頃だというのに、親が親として機能しないから無理やり大人になろうとする子供ってこんなにきついことはないです。これはやっちゃいけないことだもの。子供にはちゃんと子供時代を送る権利があるのにね。子供時代を全うすることができないのにとても辛い。親によって子供のHPがゴリゴリ削られてくのはしんどすぎる。
精神のバランスを崩した母親の行きついたところが現実からの逃亡というのも辛いですね。彼女にとっては現実を見てしまうこと=自分の否定になってしまうので、壊れるしかなかったのでしょう。本来ならば、現実を見据えて2人の子供たちとどう暮らしていくのか考えるべきなのにそれをしてしまうと自分が壊れてしまうから、現実を見ないことにした。彼女にとって子供は夫からから捨てられた現実からの逃避へのストッパーにはなりえなかったんですね。
とてもしんどいお話の中、数少ない癒しポイントが窪田くんでした。あの透明感がたまらなくいいです。窪田くん出てくると爽やかな風が吹いてきてほっとします。
原作未読なので原作読んだ方がどう感じてるのかはわからないけれど、今回の榮倉さんはとってもいいんじゃないでしょうか。窪田くんと一緒のシーンはキラキラしててかわいかったです。希美という子の芯の強さを上手に表してたと思います。それにしても、榮倉さんも窪田くんも高校生役に違和感ないのがすごいですね。
とりあえず、初回でのつかみはいいので次回以降が楽しみ。このままぐいぐい引っ張っていってくれるの期待したいです。今季はドラマが豊作で視聴スケジュールどうしようかなって困っちゃう。あーもう楽しいなー嬉しいなー。